2023年3月24日、振り込め詐欺被害の顛末ーこともあろうにこの私が引っかかるとはー

  午後2時過ぎ、いつものように仕事机に向かった。何本かたまっていた電話連絡を片付け、メールの着信を確認し、フェイスブックの確認に移った。面白そうな写真があったのでクリックしたら、突然ディスプレー上にウイルス来襲の危機を知らせるかのようにわけのわからぬ画面が数面踊りはじめ、コンピュータ本体もピーピーと鳴り始めた。
 どう対応すべきか、私は即座の判断を迫られた。電源を切ってその後の進入を遮断すべきだったのかもしれない。進入したハッカーは直ぐに対応しないと預金もクレディットカードも盗み取られると脅迫する。焦った私は侵入者の命ずるままに、彼の言うマイクロソフトの担当者の電話番号に誘導された。
  流暢に日本語を操る外国人が登場し、修理費プラスアルファを支払えば問題をすぐにも解決するといい、私を信用させるために東京の住所と写真付き証明書を送ってきた。マイクロソフト社職員を名乗り、東京都港区に事務所を構えているという。
 彼の手口はこうだ。近所にコンビニエンスストアがあるかどうかを尋ねた、あるというとすぐにそこでグーグル何とかカードを買ってこいと言う。私はこれに応じず、彼は諦めたのか電話を切った。翌週、取引のある銀行支店から女性の声で電話があった。あなたの口座にはこの3年間お金が振り込まれておらず、放置すれば取引を停止するというものだ。銀行側がそんなことを言い出すはずもなく、私の口座番号を入手した犯罪者が仕掛けた詐取術だと直ぐに判断できた。その後はあこの種の働きかけはない。
 彼らにお金はむしり取られなかったが、それでもこうむった被害は甚大だった。修理費用と要した時間はともかく、最近作業したデータ、ブログにアップする予定だった原稿が無くなっていたのには参った。それ以上に深刻なのは、気分の落ち込みだ。よりによってこの私が引っかかるとはという後味の悪さは今も引きずっている。なんとかコンピュータの修理も終わり仕事も再開できて、今回はなんとか立ち直れそうだ。でも次回はどうだろう、80歳代後半のもうろく老人には厳しいものになるに違いない。
 今回のアクシデントで得た教訓はおそらく役に立たないだろう。犯罪者たちは思いもつかない新手を考えつくはずだし、SNS企業も警察も銀行もカード会社も支援してくれないだろう。一体どうするか。